3カ国目 スペインのバルセロナへ|ヨーロッパひとり旅 その10

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バルセロナ カタルーニャ広場周辺
 この日は3カ国目のバルセロナへ向かう。最後の見物を兼ねてブリュッセル中央駅まで歩き、窓口で切符を買い電車でブリュッセル国際空港へと向かう。電車はすいていた。座席指定はないので好きな席に座るが、車両によっては指定座席の等級があるのかもしれない。ブリュッセル空港は市内から10キロと近く、電車の乗車時間は約20分、料金は7ユーロぐらい。

南国スペインのバルセロナへ

 パリとベルギーは寒かった。1週間以上まともな食事をしていないため栄養不足で唇が割れて痛い。そしてブルッへの厳しい寒さにやられて風邪気味。体調が良くない。バルセロナはぜひ暖いことを祈る。

 スペインといえば南国との印象があるが、緯度だけを見れば北海道の函館とほぼ同じ。日本ならば完全に北国である。しかし地中海性気候の影響で冬も温暖な気候が続くとのこと。「冬でも温暖」といっても限度はあるだろうが期待したい。

 ブリュッセルからバルセロナへはVuelingという航空会社を利用した。ヨーロッパには日本では知られていない航空会社がたくさんある。バルセロナまでは直行便で約2時間。出国審査はなく荷物検査があるのみ。完全に国内便扱いである。もちろんパスポートにスタンプももらえない。

 ブリュッセル空港では出発直前に、かなり遠い場所への搭乗ゲート変更があった。外国の空港では英語のアナウンスには常に耳を傾けていないと危険である。公用語が英語ではない国では特に注意が必要。英語のアナウンスは一度きりということもある。日本のサービス体制は他国とは比較できないほどの高レベルだと思うが、成田空港でも重大なお知らせ以外は英語のアナウンスが無いことが多い。飛行機が遅れている理由や、その場合あとどのぐらいかかりそうか等は日本語のみの場合が多い。

バルセロナにも言語・民族問題があり

 ベルギーと同様にバルセロナでも言語問題があるようだ。エルプラット空港内の案内標識は、基本的にスペイン語とカタルーニャ語両方で表示されている。ブリュッセルのオランダ語とフランス語と同じ状態である。だがスペルもよく似ていたし、正直オランダ語とフランス語ほどの違いは感じなかった。しかしこの自己主張はカタルーニャ人にとってはとても重要なことなのである。

カタルーニャの旗
左からカタルーニャ・スペイン・バルセロナの旗。

 バルセロナを含むカタルーニャ地方は独自の言語を持ち、中世までは独立国だったため、いわゆるスペイン語を話すスペイン本体のカステーヤ地域との同族意識はない。さらに自動車や電子など各種産業が発達しており、経済的にはスペインの優等生。すでにかなりの自治が認められているが、僕が滞在を終えた数日後に行われた選挙では独立派が過半数を確保していた。黄色と赤のカタルーニャの旗は町中で掲げられている。

水色が特徴のエアロブスでカタルーニャ広場まで行く

 日没前だったがあたりはもう薄暗くなっていた。空港から市内まではアエロブスという水色のバスに乗る。所要時間約30分、料金は片道5ユーロぐらいだったと思う。バスの標識通りに歩くと簡単に乗り場を発見。空港の外はブリュッセルに比べるとかなり暖かく感じた。夕方だったが体感的には5~10度ぐらい高い。

アエロブス乗り場@バルセロナ・エルプラット空港
エルプラット空港アエロブス乗り場 バルセロナ市内へ直行で便利

 バスに乗っている途中に日没を迎えた。暖かいとはいえ緯度が高いヨーロッパは日没が早い。僕が泊まるホテルはバス終点のカタルーニャ広場からかなり細い路地を歩くことになるので、真っ暗になり人気がなくなるとちょっと怖いなと事前にGoogleマップを見ながら思っていた。しかし到着してみると、街は人であふれていた。むしろ混雑している。こうなると強盗よりもむしろスリに注意するべきである。

 パリのロワシーバスとは違い、いとも簡単に乗り込むことができたアエロブス。沈み行く美しい夕日を眺めながら走ると、あっというまにカタルーニャ広場へ到着した。

歴史を感じるゴシック地区に泊まる

 バルセロナではカタルーニャ広場からほど近いゴシック地区に滞在。この地区は、迷路のように入り組んだ細い路地ばかりで、迷ったら出てこれない袋小路のような場所である。その路地に沿ってびっしりと立ち並ぶ石造りの建物は、さらに歴史を感じさせる。緻密で美しいベルギーのヨーロッパ建築とは違い、イスラム情緒も漂う荒々しい造りである。現代とは思えない絵になる街並みだが日当たりは悪そう。

ゴシック地区@バルセロナ

 極細路地の店は日没後も営業していた。みやげ物屋やレストランが多く、通りを歩いているのはほとんどが観光客。やはり皆こういう街並みを見るのが楽しいのだ。

 ホテルコールはひときわ狭い路地に建っていた。レストランもなくただ泊まるためのホテルだが、フロントスタッフは親切で立地も文句はない。一泊の料金は4000円程度とブリュッセルとパリに比べるとかなり安い。部屋は日本のビジネスホテルを思わせる、まったくしゃれっ気のない事務的な部屋。歴史を感じさせる建物の外見からは想像できない事務的な内装。壁は薄く隣の部屋の声がまるぎこえだったが、ずっと続かなければ問題はない。またバルセロナに行くことがあれば泊まろうと思う。

ゴシック地区のホテルコール
3泊したゴシック地区の「ホテルコール」

イルミネーションもきれいなランブラス通り

 クリスマスが近いこともあり、目抜き通りのランブラス通りはイルミネーションで飾られていた。そしてたくさんの観光客であふれかえっている。

 みやげやジュースなどを売っている出店も多い。サッカーが人気の国だけありFCバルセロナのチケットを売っているスタンドもあった。ビヨーンビヨーンという音がなる笛で音を鳴らしながら、上に放り投げて遊ぶおもちゃを売っている移民風の人がたくさんいるのが目立った。最後まで売れているところは見られなかった。不思議である。

ランブラス通りのクリスマスイルミネーション@バルセロナ

 ランブラス通りのリセウ駅の入口近くにはホアン・ミロ(Joan Miro)のタイルで作ったモザイク作品がある。オブジェではなく歩道部分にタイルが敷かれて作品になっているが、サイズが大きすぎて普通に歩いていると気づかない。足元に注意しながら歩かないと通り過ぎてしまうため、ここには立ち止まって写真を撮ってる人もほとんどいなかった。

ホアン・ミロのモザイクタイル作品@ランブラス通り バルセロナ
ホアン・ミロのモザイクタイル作品@ランブラス通り

サンジュセップ市場

 ランブラス通りの西側に市場がある。横丁ではないがアメ横のような場所だろう。果物、チーズ、乾物、肉など様々な店がところ狭しと並んでいる。

 ヨーロッパは日本に比べると料理における野菜の地位が低く、代わりに果物がかなりの存在感を持っている気がする。リンゴをかじりながら歩いている人など日本ではまずみないが、ヨーロッパだとたまにみかける。僕は果物をあまり食べないので、この旅行で栄養不足になってしまった。バルセロナの市場は品種も豊富である。

バルセロナ サンジョセップ市場

 この日はカタルーニャ広場からランブラス通りを歩いてホテルへ戻る。明日は朝からあのバルセロナ一番の名物、サグラダファミリアに向かう。

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サグラダファミリアの柱

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