パリやベルギーの悪天候とはうってかわって、バルセロナには初日から素晴らしい青空が広がっていた。いい気分のまま朝一であの有名なサグラダファミリアへ行く。9時の開門と同時に入れるように、1時間前には現地に着くようにホテルを出る。地下鉄を一度乗り換えれば到着である。
地下鉄に乗る
バルセロナの地下鉄は最初の路線は創業1929年らしいが、僕が見た駅や車両はどれも新しく、ピカピカと光っていた。パリの古ぼけた地下鉄に比べると新品と言ってもよいぐらい。パリの地下鉄では新型車両はほとんど見なかった。
切符を買う。バルセロナ観光には観光用のバスの利用も検討したが、一日券約20ユーロ、二日券約30ユーロとかなり高額。さっと写真だけ撮って次に行く方でなければ、それほど便利ではないと思う。
一ヶ所に長々とたむろしたい僕のスタイルでは間違いなく無駄になってしまうので、地下鉄の券売機で割安の10枚回数券を買った。価格はおよそ10ユーロで、バスや地下鉄に10回分乗車可能。しかも1時間15分以内であれば地下鉄とバスでの乗り換えもできる(地下鉄から地下鉄、同じ番号のバスはダメらしい)。
予想以上に大きかったサグラダファミリア
そして10分ほど地下鉄に揺られ、あっという間にサグラダファミリアに到着。巨大。ものすごく大きくて迫力がある。この巨大な建造物を見て、なぜか札幌時計台を思い出してしまった。隣にサグラダファミリアが建っていたら時計台としてはかなりまずいことになる。札幌時計台のことはともかくとして、ここはここで建設用のクレーンなどがわりと目立ち、意外と普通の工事現場的なルックスが唯一の弱点かもしれない。
行列もなかったのでまずは周りから写真を撮る。正面左側に列ができてきたので僕も並ぶ。しかし開門前には入口、チケット売り場等の表示が一切ないので本当にチケットの列なのか自信はない。結果的には正面左側の列が当日券、右側の列が前売り券だった(2013年2月追記:その後入場はすべて予約制になっているとのうわさ)。
塔の中を進む
9時になると入場券売り場が開き中に入る。塔の上まで行けるチケットが16ユーロ。切符にはエレベータ時間9時15分と書かれていたようだが、まったく関係なかった。
時間は気にせずとりあえずエレベーターへ向かうと、すぐに乗せられ満員になり次第動き出す。満員といっても雑居ビルにあるような、10人も乗れないような小さなエレベーターだった。時間など関係なしに上と下をひっきりなしに往復しているだけとしか思えなかった。だが混雑している時間帯には、予約の人を先に乗せるなど、出発時刻にも意味があるのかもしれない。
そして頂上でエレベーターを降りて細いらせん階段を進む。体力に自信がない人はエレベーターで降りることもできるらしい。それほど長くはないので普通問題ないと思うが、死ぬほど混雑していたらいやになるのかもしれない。
塔の中はいたるところに窓穴が開いており、下からみると点のようにしか見えないオブジェが目の前に見えたり、バルセロナの町が遠くまで見渡せる。所々に(本当に)小さいベランダのようなものがある。塔上部はかなりの高さがあるが、窓にもベランダも落下防止の窓ガラスや網がまったくない。自分はもちろんカメラなどを落とさないように注意しないと危険。螺旋階段も下を見下ろしていると本当に吸い込まれそうになる。
日本人だらけで統制のとれた動きを実現
僕は朝一番で入ったのでまだそれほど混んでいなかった。通路が細いので前の人が写真を撮ってる間は動けないというのはあるが、人が少ないうちはさほど問題にならないだろう。それにしてもこの時間帯だけかどうかわからないが、チケットの列からエレベーター・階段にいたるまで、そこにいるのはほぼ全員が日本人だった。前も後ろも全部日本人。スカイツリーですらもう少し外国人がいるのではないか。
美しい螺旋階段を一歩づつ踏みしめゆっくりと一階まで下りる。皆が写真を撮っているからゆっくりと進むが、なにせそこにいるのはすべて日本人なので、立ち止まるのも進むのも歩みの感覚が見事にシンクロされておりイライラすることはなかった。いろいろな国の人間がまじっていると「なぜそこで止まる?」的な、違いが出てくるはずである。
一階の柱はとてつもなく高い
階段を歩いて一階に下りる。一階はサグラダファミリアのメインフロアである。木の幹を意識した巨大な白い柱が何本もそびえ立っている。とてつもなく天井が高い。その不思議で美しいデザインを見ていると、教会というより秘密の宇宙基地にいるような気がしてくる。僕は宇宙のエネルギーを吸収しながら写真を撮る。
サグラダファミリアのなにがすごいかと言えば、とにかくその巨大さに感動する。デザイン的にも中世の教会のような格式一辺倒ではなく、いかにもガウディらしく新鮮である。教会敷地内に博物館も併設されており、ガウディの歴史やデザインについての展示がされていた。昼ごろになると敷地内にはあふれんばかりの人でいっぱいになっていた。みやげ物屋にも見るだけ見てみようと思ったが、入店制限をするほどの行列ができていた。どうせ買うつもりはなかったのでそこだけは入らなかったが、見れるところはできる限りじっくり見てまわる。結局サグラダファミリアで2時間以上の時間を費やした。入場済みの見物客ですでに中はいっぱいだったが、入場券購入のための行列もさらに伸びる一方なのであった。
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