地中海とゴシック地区を楽しむバルセロナ|ヨーロッパひとり旅 その13

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早朝のバルセロナの港
 この日は早めに起きて地中海に上る日の出を見に出かけた。11月後半のバルセロナの日の出は7時ちょっと前。緯度が高いだけあって東京と比べると遅めだが、朝8時を過ぎても真っ暗だったパリやブリュッセルに比べればかなり早い。

バルセロナ市民いこいの場所:地中海

 地中海ときくと、優雅にバカンスを楽しむヨーロッパのお金持ちの姿を想像してしまう。そんなミステリアスな地中海。陸に囲まれた不思議な海とはいかなるものだろうか。水はやはりしょっぱいのだろうか。

早朝のバルセロナ

 通りにはほとんど人通りがなかったが、ホテル周辺の細い路地も含めて特に危険は感じなかった。そしてしばらく歩いて港へ到着。リキテンスタインのオブジェがまず目に入り、さらに港の中を進む。まだ開いていないがコーヒーショップなどが入る商業ビルもある。暗い空がだんだん明るくなってくる。

リキテンシュタインオブジェ@バルセロナ
リキテンシュタインのオブジェ

 さらに歩くと長い立派なビーチがある。空もかなり明るくなり、ここではジョギングをしている人も見られた。他にもギターをひいている人や海を眺めている人もいる。冬なので泳いでいる人はいないが、砂の彫刻もなども見られた。皆が海を楽しみ、ここが市民のいこいの場なのだという雰囲気が伝わってくる。僕も腰を下ろして日の出を観察することにした。

バルセロナのビーチ

 地中海といえどもとてつもなく大きい。陸に囲まれていることなど想像すらできない。そして水をなめてみると当然しょっぱかった。やはりここは湖ではなく、まぎれもなく海なのである。そうこうしているうちに、地中海の水平線から太陽が昇る。ゆっくりとのぼっていく太陽を見ていると、リヒャルト・シュトラウスの「ツァラトゥストラはかく語りき」が脳内再生されるのを止めることができなかった。

地中海の日の出@バルセロナ

さらに海のまわりを歩く

 港のまわりをさらに歩く。フランスにもあったが、バルセロナでもレンタル自転車が一般的のようだ。おそらく何箇所かある専用駐輪機のどこで返却してもよいのだろう。環境に優しい仕組みだと思うが、どのような層の人達が利用するのかちょっと想像できなかった。

貸し出しシェア自転車@バルセロナ

 軍艦もバルセロナ港に停泊していた。間近で見たかったが近寄れなかった。もう少し歩くと膨大な数のヨットが停泊しているマリーナがあった。ヨーロッパのバカンスを絵に描いたような風景が目の前に広がっている。

マリーナのヨット@バルセロナ

 港の職員が歩行者を止めて伸縮式の可動橋を動かす。一隻のクルーザーがマリーナから出て行った。岸とクルーザーの観光客が、見ず知らずの者同士で互いに手を振り合う観光地的な和やかな瞬間である。皆がHave a nice trip!と言っている。英語で言っておけば相手がどこの人間でも間違いはない。

開閉式の橋@バルセロナ

コロンブスの銅像とバルセロナ

 橋を渡り海から街側へ戻ると、そこには海に向かって指をさした勇ましい姿のコロンブスの銅像がある。柱も含めて高さは約60mとかなり立派。新大陸を発見して戻ったコロンブスが、スポンサーであるスペイン国王にバルセロナで謁見したというのが理由とのこと。理由としては弱いと思うがコロンブスがカタルーニャ出身という説もあるらしいので良いのだろう。

コロンブスの銅像@バルセロナ

 銅像のコロンブスが指をさしているのは新大陸でも出身地のジェノバでもなく、方角的にはアルジェリアの東部になる。これは新大陸を指すと山を向いてしまい、ジェノバの方をさすと海岸線になってしまう(どちらにしろ出身地へ向かって指差す理由はないと思うが)。
 コロンブスは大航海を乗り切った結果に新大陸を発見するという偉業を成し遂げた「海の人」なので、そのことを強調するためには、方向はともかく海に向かって指をさす必要があるということで、この方向に落ち着いたらしい。以上英語版ウィキペディアによる。

コロンブスの銅像@バルセロナ

ゴシック地区を歩く

 そしてランブラス通りを北上してゴシック地区へ到着。ゴシック地区ではその狭い路地を歩いて、古い街並みを楽しむ。プラザ・レヤル、サンタ・エウラリア大聖堂など見所もある。歴史を感じさせる狭い路地を歩いているだけでも、思う存分異国情緒を楽しめるのがゴシック地区である。

ゴシック地区大聖堂のそば@バルセロナ

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